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更新日: 2023/02/09

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腸肝循環

  • 英語でenterohepatic circulation

  • 肝細胞にて作られる胆汁酸、各種ビタミン、エストロゲン、薬物などが胆管、十二指腸を経て腸へ向かい、再び吸収されることで肝臓に戻ってくる。

  • 薬物としてのモルヒネなどは、グルクロン酸抱合を受けて極性が高くなる。腸内細菌のβグルクロニダーゼによる加水分解を経て分解される。

  • 胆汁は、胆汁酸、胆汁色素、コレステロール、ビリルビンから構成される。

  • コレステロールは胆汁酸の原料。(ステロイドもコレステロールから生合成される, 脂質の代謝に重要)。

  • 胆汁酸:bile acid

    • 物質の総称。デオキシコール酸など。

    • 回腸まで到達した胆汁酸のほとんどは再吸収。

    • 一部は大腸の腸内細菌による影響を受ける。代謝を受けたものは二次胆汁酸と呼ばれる。Eubacterium属やClostridium属報告多い

    • 二次胆汁酸のデオキシコール酸は、大腸がん発症の促進に関与?

    • ヒトではコール酸、ケノデオキシコール酸が一次胆汁酸として合成され、さらにアミノ酸のグリシンあるいはタウリンとの抱合体を形成して、胆汁成分として十二指腸に分泌

  • その後,一次胆汁酸と同様に二次胆汁酸も小腸で再吸収され,合わせて胆汁酸の約 95%が門脈を経由して肝臓に戻り再び胆汁中に分泌される.

  • 肝臓での胆汁酸の合成量は 1 日約0.5 g であるが,この腸肝循環により 2~4 g の胆汁酸プールを 1 日に 6~9 回程度回転させることが可能とされ,胆汁酸の生成が無駄なく調節されている。

  • 正常な腸内フローラ構成細菌が腸管内での胆汁酸の脱抱合や脱水素化な
    どに密接に関与しており…

  • 一部は空腸で非イオン型単純拡散により再吸収されるが,大部 分 は 遠 位 回 腸 で apical sodium-dependent bileacid transporter(ASBT) により能動的に再吸収される

  • また閉塞性黄疸症例では,小腸内での胆汁欠乏により bacterial translocation が惹起されやすい状態にある.閉塞性黄疸に対する減黄処置として胆管に胆汁を流す内瘻法(ERBD)か経皮 /経管的な外瘻法(ENBD,PTBD)があるが,いずれの方法を行うかは内視鏡処置の可否を含めて総合的に決定される.

    • 原因:総胆管結石症や胆管癌等

  • 前述の通り,腸内フローラは胆汁酸の代謝と再吸収に重要な役割を担っている 2) ので,抗生物質投与など何らかの原因により腸内フローラの構成が乱れると,胆汁酸代謝や腸肝循環に影響を及ぼすと思われる.

食物繊維

  • 食物繊維の消化酵素を持たない

  • 一週間に3-4本

  • 小腸では…

    • 栄養を吸着することで吸収を抑制

    • 大腸への栄養運搬

    • 浸透圧

  • 大腸では….

    • 腸内細菌による分解、発酵過程を受ける

    • 一部が短鎖脂肪酸に変換される

    • pHに影響

    • 腸管粘膜の厚みをつける:タイトジャンクションもしっかり

    • 腸内細菌の住む場所を提供

    • 保水効果により便を柔らかく

  • 腸内細菌への影響

    • レジスタントスターチ:ActinobacteriaやBacteroidetesが増加し、Firmicutesが減少:33g/day 3 weeks 難分解性、痩せ型

    • 大麦、玄米、そして大麦+玄米を1日当たり計60 g、4週間にわたって摂取したところ、Firmicutesが増えてBacteroidetesが減りました。これは、レジスタントスターチとは対照的

    • 朝食に含まれる全粒の麦を、1日当たり48 g、3週間に渡って摂取したところ、Bifibobacterium spp.、Lactobacillus spp.、細菌総量が増加

  • 食物繊維: https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/about/type/

    • 不溶性食物繊維: 穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類: セルロース、キチンなど

      • 保水性が高い

      • 繊維状、蜂の巣状、へちま状

      • 発酵性

    • 水溶性食物繊維: 昆布、わかめ、こんにゃくいも(※)、果物、里いも、大麦、オーツ麦: 難消化性デキストリン, ポリデキストロース, イヌリン, (レジスタントスターチとは、ヒトの小腸まででは消化されず、大腸に届くでんぷん)、ペクチン

      • 粘性

        • 粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。

      • 吸着性:胆汁酸やコレステロールを吸着

        • コレステロール:人間の体に存在する脂質のひとつで、細胞膜・ホルモン・胆汁酸を作る材料となっている

      • 発酵性

    • レジスタントスターチ:

      • RS の栄養・生理機能は,①小腸で消化抵抗性を示し,RS
        それ自体と小腸粘膜との相互作用,②小腸腔内での RS と
        他の栄養素との相互作用,③大腸において腸内細菌による
        分解を受け,その結果生じる産物(水素ガス,短鎖脂肪酸
        など)を介しての作用に依っている。

      • 腸内細菌の作用に依って生成される最終産物の短鎖脂肪
        酸は,大腸粘膜の主要なエネルギー源であると同時に,大
        腸の粘膜血流量増加,大腸蠕動運動亢進,上皮細胞の増殖
        刺激などの作用を有すると報告


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